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フォトギャラリー タンザニア連合共和国視察(2008年8月)

「ひとつの国連」が推進する元気なアフリカ
 

カラフルな衣服を身にまとったタンザニアの女性たち ©UNDP Tokyo


 紺野美沙子国連開発計画(UNDP)親善大使が就任10周年を迎えた2008年は、アフリカの人々やその未来に対して大きな注目の集まる年となりました。日本政府と国連開発計画(UNDP)、国連、世界銀行が第四回アフリカ開発会議(TICAD W)を共催し、40カ国以上のアフリカ首脳や国際機関とともに「元気なアフリカを目指して」をテーマとし活発な議論が行われました。また北海道洞爺湖サミットでも、アフリカ開発は国際社会が協力して取り組む課題として議論されました。

 国際社会でアフリカ支援への関心が高まるなか、今年8月、紺野親善大使は2003年のガーナ訪問以来2度目となるアフリカ大陸を公式訪問しました。今回視察先に選ばれたのは、アフリカのなかでも高い経済成長を維持し、2008年のアフリカ連合(AU)議長国としてリーダーシップを発揮しているタンザニアです。タンザニアにおけるミレニアム開発目標(MDGs)達成への取り組みを支援するため、国連はタンザニアを「One UN(ひとつの国連)」イニシアティブのパイロット国に選定し、20以上の国際機関が連携・協力して、タンザニア政府とともに開発支援を行っています。


ダルエスサラーム市街地 ©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

  今回の視察で紺野親善大使は、「ひとつの国連」のもとで実施されている持続可能な環境や人々の生計手段確保に資することを目的とした太陽光パネルを取り入れたプロジェクト、HIV/エイズとともに生きる人々を支援するプロジェクトや貧困削減・環境保全のモデル事業であるユヴィキタ青年の村を視察しました。また、日本で開催されたTICADWの成果やUNDPがタンザニアでどのように活動しているかを現地政府関係者やメディアを通じて人々に紹介し、さまざまな媒体で取り上げられました。さらに民間ODA モニターの人々ともに日本政府が支援する孤児院や魚市場なども見学しました。

草の根無償資金協力によるオロフ・パルメ孤児院訪問
 紺野親善大使は日本政府のODA(草の根無償資金)にて建設されたオロフ・パルメ孤児院の女子寮の引渡し式に出席しました。タンザニアの孤児に対する初等教育支援は整いつつありますが、中等教育の機会は限られており、女子寮の建設を通じた日本の支援は現地で高く評価されています。


写真右: 女子寮寄宿生たちを励ます紺野親善大使。「初等教育の普及には女子への教育が不可欠です」 ©UNDP Tokyo
中央に紺野親善大使と伊藤誠在タンザニア大使
写真左: 新築の寄宿舎の前で  ©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

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ムワンガ県におけるUNDP-GEF太陽光発電プロジェクト
 タンザニアの北東に位置する同国で二番目に大きい都市であるムワンザで、ムワンガ県のJames Msekela Regional Commissioner(知事)を表敬訪問しました。Msekela知事はUNDPの支援に対する感謝と期待を表明した後、地元メディアも加わってUNDPが同県で実施している太陽光発電プロジェクトの現状についての発表会が行われました。


James Msekelaムワンザ知事(中央)との会見 ©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

 紺野親善大使はUNDPと地球環境ファシリティ(GEF)が支援する農村部における太陽光発電プロジェクトを見学しました。電力供給のない農村部において、二酸化炭素を排出せず、また健康に害を及ぼすことがない太陽光パネルを使用した発電機を導入する試みが広がっており、現在では57の施設に太陽光パネルが普及しています。
 その施設のひとつ、イルメラ中学校はもともと電気の供給がなく、灯油ランプを使用していますが、ススによる大気汚染と灯油価格の高騰が喫緊の課題でした。UNDPのプロジェクトにより、一部ながらも太陽光パネルによってクリーンで安価な電力を手に入れたこの中学校は、灯りのついた教室で精一杯学ぶ子どもたちの姿が印象的でした。


写真右: イルメラ中学校にボールのプレゼント(提供:アディダス ジャパン株式会社)
写真左: 学校の屋根に設置された太陽光パネル
©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

 続いて訪れたカマンガという村にある保健センターでは、太陽光発電による電力が屋内照明に用いられていました。電灯によって妊産婦は夜間でも出産や治療が受けられるようになり、妊産婦と子どもの健康と安全な出産のために役立てられています。 また最後に、同村にあるミルク加工工場を訪れました。ここでは小型の太陽光発電機により、工場内の電力コストが削減され、さらに工程の一部に電力を利用することで生産能力が向上しています。


ミルク加工工場:小さな太陽光発電設備が人々の家業や生計を助けています
©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

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Oscar Fernandez-Taranco UNDPタンザニア常駐代表との会談
 Fernandez-Taranco国連常駐調整官兼UNDPタンザニア常駐代表は、紺野親善大使との会談でタンザニアにおける「ひとつの国連」の取り組みについて解説を行いました。「ひとつの国連」イニシアティブは、国連改革の一環として当該国で活動する国際機関が協調、協力することで、国連システムの効率的な支援の実現を目指しています。現在、タンザニアを含む世界8カ国で実施されており、特に同国は積極的に「ひとつの計画」、「ひとつの予算」、「ひとりのリーダー」と「ひとつの事務所」を推進しています。紺野親善大使からは、今回の視察に関する感想を述べ、支援のあり方についての意見交換が行われました。


Fernandez-Tarancoタンザニア常駐代表と紺野親善大使 ©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

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HIV/エイズプロジェクト、病院とコミュニティー・グループの訪問
 ダルエスサラーム近郊テマケ地区にあるテマケ病院は、同地区の基幹病院としてHIV/エイズや結核などの感染症の治療を担っています。HIV/エイズへの対応はタンザニアの最重要課題のひとつです。UNDPは「ひとつの国連」イニシアティブのもと、WHO、UNICEF、UNFPAと協力して、患者と家族のカウンセリングや社会復帰を支援しています。同病院の視察後、紺野親善大使はHIV/エイズとともに生きる人々のグループが暮らすコミュニティを訪問し、所得創出活動や職業訓練の様子を見学しました。



写真上: テメケ病院のスタッフによる説明を聞く紺野親善大使
写真左下: HIV/ エイズとともに生きる人々のコミュニティにて現地メディアの取材
写真右下: コミュニティの子どもたちと
©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

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ユヴィキタ青年の村の訪問
 ダルエスサラーム近郊のチャマズィにあるユヴィキタ青年の村は、1980年代初期に当時の政府が貧困対策として青年たちによる開拓・開墾を支援したことによって始まりました。紺野親善大使は同村でUNDPが支援する太陽光発電システムや、家畜の糞尿を利用したバイオ・ガスの活用など、再生可能エネルギーのテスト運用を視察しました。また、世界中から村を訪れていた青年団体の人々との交流会も開催されました。


写真左:青年の村で記念撮影 写真右:太陽光発電システムの説明を受ける紺野親善大使 ©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

 視察終了後、紺野親善大使は現地報道陣による取材に対し「都市部と農村部における開発の格差を目の当たりにし、貧しい人々のためにミレニアム開発目標(MDGs)は必ず達成しなければならないと実感しました。特に農村部における水およびエネルギーの持続的なアクセスの確保は重要であり、UNDPの支援する太陽光発電プロジェクトがさらに拡大されればと思います」と開発の重要性について訴えました。さらに、「HIV/エイズはアフリカが抱える最も大きな課題のひとつです。さらに、今回の視察で結核も増加している事実を知り、国連機関や政府は、これらの課題に向けて力を合わせなければならないと強く感じました。私はUNDPの親善大使としてタンザニアの状況を日本の人々に伝え、行動を呼びかけたいと思います。そして、この素晴らしい人々や自然と触れ合うために、いつかまたアフリカを訪れたいと思います」とコメントしました。


©Shinji Shinoda/UNDP Tokyo

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