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欧州およびCIS 諸国、ラテンアメリカ及びカリブ諸国地域

【欧州およびCIS 諸国、ラテンアメリカ及びカリブ諸国地域の事例】
1.アルメニア:社会的に脆弱な難民、国内避難民及び地元市民に対する持続可能な生活支援
2.コソボ:汚職防止へ向けた日本政府の支援
3.ボスニア・ヘルツェゴビナ:貧困削減を通じた地域での民族融和
4.ホンジュラス:地方3都市における住民参加型暴力削減プログラム

1.アルメニア:社会的に脆弱な難民、国内避難民及び地元市民に対する持続可能な生活支援

© UNDP Armenia

日本政府が主要ドナーの「国連人間の安全保障基金」の資金拠出により、UNDPはアルメニアのゲグハークニク地域にあるゲグハマサル町とパムバク町において、「社会的に脆弱な難民、国内避難民及び地元市民に対する持続可能な生活支援プロジェクト」をUNHCR、UNICEF、UNFPA、UNIDOと連携して2009年4月から実施しています。

UNDPはゲグハマサル町とパムバク町の運営と戦略計画策定にかかる能力強化を担当しました。町の住民が計画の策定、実施、監視に積極的に関わる参加型手法を用いて、町の開発戦略計画を作り上げる支援を行いました。また、脆弱な立場にある世帯に所得創出に必要な技能を身に付けて新規事業を立ち上げる機会を提供することによって、2011年の事業終了時には565世帯が経済的に安定した生活を送れるようになることが期待されています。

ゲグハマサル町では小麦種子、肥料、トラクター、耕運機などが支給されました。町長のガレジン・ベグヤンさんは「食糧の量と質のレベルが向上し、世帯収入も増加しました。数年間で収入が二倍に増加することが見込まれています」と語っています。パムバク町では90頭の乳牛、トラクター、種蒔き機、耕運機、収穫脱穀機などが支給されました。町長のハルトユン・アザルヤンさんは「小麦の生産量が2-3割増加し、世帯収入も1-2割増加しました」と語っています。今後UNDPはプロジェクト実施地域を近隣の町にも拡大していくことになっています。

2.コソボ:汚職防止へ向けた日本政府の支援

©Aiko Watanabe/UNDP Kosovo

日本政府とUNDPのパートナーシップ基金からの拠出によって、コソボでは汚職・腐敗対策を目的とするプロジェクトが、2009年8月から段階的に実施されています。UNDPはこのプロジェクトにおいて、コソボの社会の様々なアクターの説明責任能力と組織の透明性を向上させるための様々な活動を支援しています。

2009年11月には近隣6か国の7機関の代表が参加する会議が開かれ、近隣国同士の相互交流が活発になり、腐敗防止のための地域協力体制が強化されました。同年12月の「国際腐敗防止デー」には、腐敗の摘発に貢献する優れた記事を発表したジャーナリストを表彰する式典が開かれ、汚職問題に対する市民やマスメディアの意識を高めました。2010年8月からは、現地NGOのチームがコソボ内7地域で、腐敗問題に対する市民社会の関心を高めるための討論会を開催しており、同年9月からはコソボ外から招聘された利害調整の専門家が、コソボ汚職・腐敗対策機関の職員を対象とした能力強化研修を実施しています。

3.ボスニア・ヘルツェゴビナ:貧困削減を通じた地域での民族融和

© UNDP Bosnia and Herzegovina

複数の民族・宗教が共存するボスニア・ヘルツェゴビナにおいて、UNDPは「貧困削減を通じた地域での民族融和」(CRPR)プロジェクトをUNESCOと協同して実施しました。CRPRプロジェクトはボスニア・ヘルツェゴビナの持続的な社会経済発展と平和構築を目的とし、国連人間の安全保障基金からの拠出によって実現しています。UNDPは特に社会経済開発と社会的弱者を地域社会に取り込む支援に努めてきました。

CRPRプロジェクトはボスニア・ヘルツェゴビナの各省庁と現地コミュニティーと協働し、地雷の撤去、廃棄物の管理、生活環境の保護、観光業の振興にも力を注いできました。プロジェクトの受益者であるロボビッチさんは、「資金が有効に活用されており、町の中心部に観光案内所が設立されるなど、目に見える結果が出ています」と語っています。ボスニア・ヘルツェゴビナでは異なる民族同士の協力関係の構築と国民の生活水準向上の長期的持続が望まれており、CRPRプロジェクトの成果が様々な分野に応用される可能性が期待されています。


4.ホンジュラス:地方3都市における住民参加型暴力削減プログラム

© UNDP Honduras

ホンジュラスでは暴力事件や家庭内暴力が多発しており、高い青少年の死亡率が数十年に亘ってホンジュラスの発展を妨げてきました。この危機的状況に対処するために、UNDPはUNVなどの他機関と連携して、平和的文化の構築を目的とする「ホンジュラス地方3都市における住民参加型暴力削減プログラム」をコマヤグア県、チョルテカ県、フティカルパ県で実施しました。このプログラムの資金は、国連人間の安全保障基金によって提供されました。

本プログラムでは、暴力の予防と削減を目的として地域ネットワークの構築と強化が行われました。地域ネットワークを通して、青少年は相互交流と能力向上の機会を得ることができ、地域社会への帰属意識を高めて平和的共存の意義を理解するようになります。平和をテーマとする芸術の技能訓練を受けた青少年ボランティアたちは、平和メッセージを含む芸術作品を創作して、ホンジュラスの治安向上に貢献しました。このプログラムの成功を受けて、UNDPとUNVはホンジュラス当局と連携しながら青少年への支援を継続しています。


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