JICAとのパートナーシップ

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2009年11月、緒方貞子JICA理事長とヘレン・クラークUNDP総裁は両機関の連携強化のための覚書に署名しました。これは、MDGsと人間の安全保障の実現という共通のゴールに向けて、JICAとUNDP双方の強みを生かした連携を進めるための指針となるものです。覚書締結から1年足らずですが、以前から各国現場での連携協力は行われていたこともあり、既に次のような具体的な連携の成果が上がっています。

【JICAとのパートナーシップの事例】
1. スーダン:元兵士を対象とした職業訓練
2. コンゴ民主共和国:警察の機能強化
3. モザンビーク:MDGsの達成に向けたミレニアム・ヴィレッジ・プログラム
4. ネパール:新しい国づくりの中での民主化プロセス支援のために
5. イラク:経済の自立的発展に向けた政府機関の能力強化

1. スーダン: 元兵士を対象とした職業訓練

日本政府からのプログラムに対する資金拠出に加え、南スーダンのジュバではJICAとUNDPは一緒に案件を進めています。JICAは武装解除した元兵士と軍事活動に関わった女性を対象に、2009年9月から3か月の試験的プログラムとして職業訓練を実施しました。このプログラムの目的は調理・大工・溶接・洋服仕立てなどの職業技術を習得する支援を行うことです。99人の訓練登録者が、自ら選択した分野の職業訓練を受けました。参加者は基礎的な識字教育と算数教育を受け、計測器・シャベル・ハンマー・のこぎり・机・調理器具・パン焼き器・ミシンなどの道具が供与されました。

JICAによる職業訓練が終了した後、UNDPはプログラム修了生を対象に職業斡旋の支援を行っています。20名のプログラム修了生はJICAによる職業訓練で習得した建設技術を活用して、ジュバの国連ミッションの建設現場での仕事を得ています。習得した技術で適性試験に合格し、新たな立場で活躍している人々もいます。JICAの職業訓練の修了生が持つ高い技術に感銘を受け、建設現場の管理者はJICAの職業訓練を受けた人材をさらに求めています。

また、スーダン北部のプロジェクト「ダルフール及び暫定統治三地域人材育成プロジェクト」においても、現在UNDPとの連携にむけた調整を行なっています。当プロジェクトでは、暫定統治三地域のうち、南コルドファン州、青ナイル州において、職業訓練を行う予定ですが、訓練の対象者にUNDPが支援している除隊兵士の一部を含める予定です。第一段階として、2010年11月から、南コルドファン州、青ナイル州の技術学校、女性連盟、ユースセンターにおいて、自動車整備、電気、木工、金属加工、服飾、食品加工の6コースを実施し、計585人の参加者のうち約半数に除隊兵士を含める予定です。


2. コンゴ民主共和国: 警察の機能強化

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Democratic Republic of the Congo
2010年9月20日、500人の若者が6か月にわたる「警察官新人基礎研修」に参加するため、オリエンタル州キサンガニ市のカパラタ警察研修センターに集まりました。この研修は、2010年5月に採択された国連安保理決議第1925号に基づいて、コンゴ民主共和国警察の能力強化を目指す包括的プロジェクトの一環として、JICA、UNDP及び国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)が共同で実施しているものです。また、北キヴ州ゴマ市にあるムニギ警察研修センターでは、さらに1,000人の現職警察官が「再訓練研修」に参加する予定です。この研修は、2010年2、3月に初めて東部地方で実施され成功を収めた研修を引き継ぐものです。

JICAは、研修センターの改修や整備、研修実施に必要なプロジェクト予算約220万ドル を負担するとともに、事業の計画と監理を行います。研修実施における財政・運営管理はUNDP、警察官の訓練はMONUSCOが担当しています。JICAコンゴ民主共和国駐在員事務所長の米崎英朗氏は次のように述べています。「6か月の警察官新人基礎研修はJICA、UNDP、MONUSCOのパートナーシップから誕生しました。研修後、新人警察官は法遵守と人権尊重を基本とする専門的職業意識を持って、職務を遂行できるようになるでしょう」。


3. モザンビーク: MDGsの達成に向けたミレニアム・ヴィレッジ・プログラム

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UNDPはUNFPA、UNESCO、WHO等の国連機関とも協調・協力しながら、国連のジョイント・プログラムのひとつとして、ミレニアム・ヴィレッジ・プログラムを主導しています。モザンビークでは政府と共同し、地域社会への投資活動を基盤として活動しています。2007年の開始以来、農業・教育・保健など多くの分野において実を結んできました。2009年よりJICAはミレニアム・ヴィレッジ・プログラムに対して資金協力と協力隊派遣を行っています。

当地の生産者がミレニアム・ヴィレッジ・プログラムを通して得た技術・知識・経験は、将来の地域社会発展のため掛け替えのない財産になることが期待されます。モザンビークのミレニアム・ヴィレッジ・プログラムに見られるUNDPとJICAのパートナーシップは、地域社会に持続的に好い影響をもたらしています。


4. ネパール: 新しい国づくりの中での民主化プロセス支援のために

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新しい国づくり・民主化が進むネパールでは、UNDPとJICAは選挙と法・司法の分野を中心に民主化プロセス支援を協働で進めています。現在進められている憲法制定後の総選挙実施を見据え、2009年8月にUNDPとJICAは協定を締結し、地方レベルでの選挙管理委員会スタッフの能力強化を図るために合同ワークショップ(BRIDGE(Building Resources in Democracy, Governance and Elections) )を実施しました。この協定に基づいたJICAの現地国内研修にかかる資金を活用し、UNDPが2009年11月に開催した5回のワークショップでは、選挙管理委員会・憲法制定議会・市民団体から参加した103人が選挙管理・選挙前活動・選挙紛争の解決に関するトレーニングを受けました。同時に、UNDPの選挙支援プログラムと協働で、JICAは中央レベルの選挙管理委員会スタッフの実務能力強化を諮るために日本・タイでの研修を実施しました。

併せて、新しい国づくりの重要な枠組みとなる法整備支援分野では、JICAの日本の法整備の経験を生かした技術的かつ専門的な支援と、UNDPが持つ豊富なプログラム実施経験という両組織それぞれの長所が活かされています。UNDPはネパールの司法省が民法と刑法を起草するに当たり幅広い支援を行っており、一方JICAは、民法を中心に日本の民法学者等によるアドバイザリーグループを結成してネパール側との協議を重ねるなど、UNDPネパール事務所と協力して支援しています。

より効果的な支援を実現するために、2010年8月31日にUNDP-JICAの合同会議を実施し、双方のプログラムの紹介、協力可能性分野について協議を進めており、今後とも同会議やセクターレベルでの意見交換の継続や日本信託基金を活用した合同案件形成等、現場での活発な相互交流が期待されています。JICAネパール事務所長の河崎充良氏とUNDPネパール事務所副代表のヨーン・ソーレンセン氏は、UNDPとJICAの協同プログラムの運営に熱意を表しています。


5. イラク: 経済の自立的発展に向けた政府機関の能力強化

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JICAは2003年にイラク経済復興の基礎となる様々なインフラ事業整備に対し35億ドルの円借款供与を決定し、現在15案件(約32.8億ドル)が承諾されています。担当政府機関は10機関以上であり、案件進捗監理のため、イラク政府とJICAは定期的なモニタリング会合を開催しています。UNDPは国際機関という第三者の立場から、案件進捗の日々のモニタリングを行い、モニタリング会合の場で課題点や改善点を提案しています。UNDPの第三者という立場が生きる、効果的なJICAとのパートナーシップといえます。

UNDPは調達や資金管理が、JICAガイドライン並びに国際的な商慣習に沿って適正に行われているかを確認するモニタリングに加え、各担当政府機関の能力強化も行っています。多岐に渡る担当政府機関に対し、共通の能力強化を行うことで、イラク政府全体の能力強化につながることが期待されています。イラク政府・JICA・UNDPが一体となり、一刻も早い自立的発展に向けた努力が続けられています。


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