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アフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)について






アフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)は、2008年に国連開発計画(UNDP)が、国連工業開発機関(UNIDO)、国連児童基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)と協力し、日本政府から9210万米ドルの支援を受けて始まりました。AAPは、2008年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)で設立された「アフリカの気候変動対策に関するパートナーシップ構築のための日本とUNDPの共同枠組み」のもとで創設されたものです。

AAPは従来の気候変動適応プログラムとは異なり、持続可能な開発との関連の中でより詳細な情報に基づいた適切な活動を決定・実行できる環境づくりに、より戦略的重点を置いています。

AAPのもとでは、開発は貧困削減の鍵であると考えられています。したがって開発は持続可能でなければならず、また持続可能であるためには、開発は気候に起因するものであれ気候以外の要因に起因するものであれ、あらゆる種類の脅威に対する強靭性を持たなければなりません。

これが、20か国のアフリカ諸国がUNDPのアフリカ気候変動適応支援プログラムに参加している理由です。これらの国々は、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けてしっかりと確実に前進する開発アジェンダを遂行するための能力を強化することを望んでいます。


AAPが考える「強靭性のある開発のための5つの能力」
組織やプロセスの強化の成否は、最終的には、関与する人々のスキル、知識、リーダーシップによって決まります。AAPの方法論の柱は、AAP参加20か国からの参加者が、自国内で変化をもたらすという高度な仕事を成し遂げるために必要な専門的能力を身につけられるよう支援することです。

AAPは、強靭性のある開発アジェンダを策定し実行するうえで不可欠な以下の5つの能力の強化に重点を置いています。
1.データと情報
2.組織とリーダーシップ
3.分析と実施
4.知識管理
5.革新的な資金調達


20の国別チームと1つの地域チーム
国別チーム
これらの能力を構築するためのプロジェクトは、AAP参加20か国それぞれの国別チームによって実施されています。各チームは、それぞれの国の政府により指揮され、その国のUNDP国事務所から支援を受けます。

AAPに参加している20か国
ブルキナファソ、カメルーン、コンゴ共和国、エチオピア、ガボン、ガーナ、ケニア、レソト、マラウイ、モーリシャス、モロッコ、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、サントメ・プリンシペ、セネガル、タンザニア、チュニジア

地域チーム
セネガル・ダカールに拠点を置く地域チームは、対応型と戦略型という2つの方法で実施される技術援助を通じて、国別チームに対して、強靭な開発のための能力強化をしています。

手段1:対応型技術支援
対応型技術支援では、国別チームはさまざまな受動・能動イニシアチブを通じて、地域チームから迅速かつ直接的な支援を受けます。AAPヘルプデスクは、質問への回答から国別プロジェクトの実施における障害克服を手助けする技術援助まで、さまざまな対応を促進する受動的な手段としての役割を担っています。

アンカーコンサルタントは能動的なレーダーとしての機能を果たしており、国別チームと定期的、直接的に関与することにより、各国のニーズを特定しこれに対応します。

手段2:先行的戦略強化
先行的戦略強化では、AAPは、国別プロジェクトの成果を補完し拡大することを目指すさまざまな戦略的変革イニシアチブを導入しています。これらのイニシアチブは、リーダーシップ、組織効率、統合的計画、および長期的な計画作成と行動に不可欠な情報の収集に重点を置いています。

AAPのクロスプラクティス戦略は、能力強化、貧困削減、ジェンダー主流化、ガバナンス、知識管理、および政策と計画作成といったUNDPの主要実践分野の全域にわたる専門知識を総動員しています。

これにより、国別チームが国の開発枠組みに含まれる長期的な強靭性構築戦略の恩恵を受けられるようにするために必要な一連の追加的技術援助を地域チームに提供します。

ナイロビに拠点を置く、AAPのメディア能力構築プロジェクトは、AAP参加20か国それぞれのジャーナリストの専門的能力の開発を支援して、気候変動の中での開発の強靭性に関する国民の議論に情報提供するとともに、これを反映し進捗状況を報告する彼らの能力強化に取り組んでいます。

戦略的パートナーシップ
AAPのアプローチの基本要素は、AAP参加20か国における国別プロジェクトの目標を首尾よく達成するために必要な技術援助の水準を高め維持し、アフリカおよび世界中の組織との間に戦略的パートナーシップを築くことです。以下はその一部です。
・アダプテーション・ラーニング・メカニズム(Adaptation Learning Mechanism)
・アフリカ・アダプト(AfricaAdapt)
・開発のための気象適応アフリカセンター(African Centre of Meteorological Applications for Development)
・アフリカ気候政策センター(African Climate Policy Centre)
・地域農業・水文・気象センター(Agriculture, Hydrology, Meteorology Regional Centre)
・気候開発知識ネットワーク(Climate and Development Knowledge Network)
・統合地域ダウンスケーリング実験(Coordinated Regional Downscaling Experiment)
・インテリジェンス・フォー・ヒューマニティ(Intelligence for Humanity)
・国際ジャーナリストセンター(International Centre for Journalists)
・国際理論物理学センター(International Centre for Theoretical Physics)
・アジア地域気候変動適応知識プラットフォーム(Regional Climate Change Adaptation Knowledge Platform for Asia)
・UNDP開発政策局(UNDP, Bureau for Development Policy:BDP)
・UNDP能力強化グループ(UNDP, BDP, Capacity Development Group)
・国連南南協力室(United Nations Office for South-South Cooperation)
・世界気象機関(World Meteorological Organisation)