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国連職員による東日本大震災被災地でのボランティア活動

石巻市でのボランティアに参加した国連職員ら有志

石巻市でのボランティアに参加した国連職員ら有志


2011年10月に国連職員、インターン、その家族の有志で、東日本大震災で被災した宮城県石巻市への1泊3日のボンランティア・ツアーを実施しました。国連機関は職務の分野が各機関で異なるため、普段はあまり一緒に仕事をする機会がありませんが、今回は「被災地のために何かしたい」という共通の思いで国連大学(UNU)、国連開発計画(UNDP)、国連世界食糧計画(WFP)、国際労働機関(ILO)などから約35人が参加しました。

ボランティア・ツアーは、国連大学が企画したもので、10月28日(金)にオフィスでの仕事を終えてすぐ、夜行バスに乗り込みました。翌29日(土)早朝に石巻市に到着し、全員でラジオ体操をしてから、作業現場である小渕浜漁港へ移動しました。

漁港への移動途中目の当たりにした瓦礫の山や倒壊した家屋に言葉を失い、震災後7か月たっても現実は厳しいことを改めて痛感させられました。漁港に到着すると、早速、港の奥の重機が入れないような場所に流された瓦礫撤去の作業に入りました。瓦礫といっても本当に様々なものがあり、貝殻やロープなどの漁具もあれば子供用のプラスチックカップなど生活用品もあります。水に濡れた畳は見るも無残ですが、その重さたるや相当なもののようで、男性6人でもかなり苦労して運ぶほどでした。

午後2時を過ぎると、震災の影響で地盤沈下の激しい漁港は港の奥の方まで浸水してきました。作業現場にもかなりの水が流れこみ、予定より早めの作業終了を余儀なくさせられましたが、それでも参加者たちは「もう少し作業を続けたい」と、ぎりぎりまで瓦礫の運搬を続けました。現場作業のほか、参加者は津波被害の大きかった地区および市街地の訪問、被災者の方との交流なども行いました。30日(日)21時に東京に帰りつきました。

UNDPは、スマトラ沖地震やハイチ大地震など(行政機能などが不十分で外部からの支援を必要とする)途上国での災害復興、予防などの事業を展開しています。今回は所属組織を越えた国連職員らの有志で足を運び、現場で汗を流すことができ、とても貴重な機会となりました。国連職員として、一個人として、これからも災害復興や予防のためにできることを続けていきたいと思います。

(文責:UNDP駐日代表事務所 代表秘書 堤美帆)