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持続可能なエネルギーへのアクセスはアフリカの開発に不可欠――ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁

途上国ではMDGs達成のためにもエネルギーへのアクセス が非常に重要になる(C) UN Foundation

途上国ではMDGs達成のためにもエネルギーへのアクセス が非常に重要になる(C) UN Foundation


エネルギーへのアクセスが欠如している人々のうち約45%はサハラ以南アフリカに住んでおり、この地域の人口の69%、5億8500万人にあたります。この地域に住む78%にあたる6億5000万人は、調理と暖房に昔ながらのバイオマス燃料を利用しています。

エネルギーの必要性は、単に家庭で利用できる電気量があるというレベルをはるかに上回っています。多くの人々が天水利用の農業で生計を立てているアフリカでは、灌漑や食料生産や加工のためにもエネルギーアクセスの拡大が極めて重要です。エネルギーへのアクセス拡大は、農業の生産性や農村所得を向上させ、アフリカ大陸で農業従業者の大半を占める女性をエンパワーメントすることができます。

持続可能なエネルギーへのアクセスは、社会をより公平で包摂的なものにするために不可欠で、グリーン成長と持続可能な開発全般を促進する上でも極めて重要と国連開発計画(UNDP)は考えます。私たちは、公平性、包摂性、回復力、持続可能性がすべての人がエネルギーを利用できるようにする取り組みの指針となると、提唱していきます。

UNDPは各地でグループごとに異なるエネルギー需要があると理解しています。それ故、各国政府は財政措置の際、大規模なエネルギー・プロジェクトと、最貧困層や社会から最も疎外された人々のニーズに応える、送電線網を利用しない分散型エネルギー源への支援のバランスを取る必要があります。また、調理と暖房用途のためのよりクリーンな燃料と生産的な活動用の発電機も必要です。

アフリカの豊富な再生可能エネルギーの資源を、すべての人にエネルギーアクセスを提供することに活かせれば、生態系をこれ以上破壊することなく貧困を削減し、経済を成長させることが実現できます。国際エネルギー機関(IEA)は「サハラ以南アフリカで、2030年までに全ての人が電力にアクセスできるようにするための必要投資額は計3890億米ドル、2030年までにこの地域で調理や暖房のためのクリーン燃料やその器具を利用可能にするための必要投資額は計220億ドル」と推計しています。

公的資金だけでは、そうした資金を賄えないため、アフリカ各国は様々な資金源にアクセスし、関心を引き付けることが必要です。

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長のイニシアティブ「すべての人のための持続可能エネルギー(Sustainable Energy for All)」は、まさにエネルギーアクセスを支援するための連携を構築するものです。このイニシアティブは、投資家たちがエネルギー事業を大幅に拡大し、エネルギーのない貧困を過去のものとしてしまう支援をするための自信を与えています。

すべての人に持続可能なエネルギーが提供できれば、エネルギーのない貧困は削減され、気候変動との闘いでも功を成します。

今年6月に開催される国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、持続可能なエネルギーに関してしっかりとした成果が求められます。それは、持続可能な開発の3側面、すなわち経済、社会、環境との関連性が極めて高いのです。

UNDPは、全ての人が持続可能なエネルギーを利用できるように、自らの役割に全力で取り組みます。