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JICAとUNDPがイラクの経済復興を加速するための業務協力協定を延長

【2011年12月14日、バグダッド】
国際協力機構(JICA)と国連開発計画(UNDP)は、イラクにおける既存の業務協力協定を延長する署名をしました。同協定は、電気、水、衛生、石油、交通、産業など主要分野においてインフラ整備や経済プロジェクトの実施を加速するために締結されました。これまでに総額32.8億ドルのプロジェクトが実施されており、イラク政府によって実施されています。

UNDPはこの協定の下、JICA、イラク政府と共に、受託者監視を含むプロジェクトのモニタリングと能力開発をしています。これは、プロジェクトがJICAの国際基準ガイドラインと規則に沿って適切に実施されているか、日本政府の有償資金協力(円借款)が説明責任を果たし、透明性、効率的のもと運用されているかを確認するものです。UNDPは、進ちょく状況と管理能力の評価を通じてプロジェクトをモニタンリングしながらボトルネックやギャップを特定し、イラク政府にプロジェクト実施を改善するための助言をしていきます。

JICAイラク事務所の坂本 威午所長は「UNDPと2009年以降のパートナーシップは、財政やプロジェクトのモニタンリング能力の強化の点で成果を挙げており、イラクでのプロジェクトを加速させ、プロジェクト・チームの能力向上にも役立っています。この連携を通じて、JICAは、イラク経済の活性化、基本サービスの向上に加え、国際的な商慣行に準拠した調達や資金管理を導入しています」と話しました。

日本政府は2003年、イラクに対して最大50億ドルの支援をすると表明しました。そのうち35億米ドルは、復興プロジェクトのための円借款でした。日本政府とイラク政府は、これらの資金運用をモニタリングするために共同委員会を設置しました。共同委員会は、首相の諮問委員会、計画省、財務省、日本大使館とJICAの代表のリーダーシップの下、定期的にイラク政府と会合を持ち、それぞれのプロジェクト進ちょく状況を確認してきました。

UNDPイラク事務所のピーター・バチェラー所長は「JICAとUNDPイラクの協力協定の延長を嬉しく思います。私たちは協定を通じて、重要な経済分野でのプロジェクト支援でイラクの人々の生活に良い影響を与えると期待しています」と語りました。

JICAイラク事務所
JICAは日本の政府機関で、技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力など広範囲に渡る政府開発援助(ODA)を途上国で実施しています。JICAは2003年以降、イラクの復興と開発のために積極的に活動をしています。これまでに電気、石油、港、水、下水、灌漑分野などのインフラ・プロジェクト15件に総額32.8億ドルの円借款を実施しました。また、人材育成のため、2011年3月末までにイラク政府職員4200人を研修生として受け入れました。野田首相は今年11月、マーリキー・イラク首相と会談した際、イラクの石油、通信、保健分野で4つの新規案件に対し計約7億5000万ドルの円借款を供与するために必要な手立てを取ると表明しました。JICAは今年8月、イラクとの連携を強化し、支援の質や効率を高めるため、バグダッドに事務所を開設しました。JICAのイラクでの活動詳細は、JICAウエブサイト同イラク事務所のウエブサイトをご参照ください。


UNDPイラク事務所
UNDPは1976年から、民主的ガバナンス、貧困削減、危機予防と復興、環境と持続可能な開発の分野でイラク政府やイラクの人々を支援しています。2003年からは、水や電気を含む生活基盤を修復するため、広範囲に渡り緊急復興プロジェクトを実施しています。近年では、2010年のイラク国民議会の選挙支援を通じて、民主的プロセスの強化に貢献しています。更に、UNDPは汚職防止、法の統治、司法、人権、公的部門の改革、災害リスクの軽減、環境と気候変動の分野でも継続的に取り組んでいきます。イラクのミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた支援は、UNDPの最優先事項で、イラクの多くの人のより良い生活を確実なものにするものです。2015年までにイラクがMDGsを達成できるよう、初等教育への就学、失業問題、安全で信頼できる水や衛生サービスの分野で支援することを約束しています。UNDPイラクの活動詳細は、同イラク事務所のウエブサイトをご参照下さい。