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JICAとUNDPが、イラクの経済復興を加速させるための協定に合意

2013年1月10日

調印式の模様。イラクや日本の多くの報道機関が取材に訪れました。

調印式の模様。イラクや日本の多くの報道機関が取材に訪れました。


【2013年1月10日、バグダッド】

国際協力機構(JICA)と国連開発計画(UNDP)は、イラクにおける両機関のパートナーシップを強化し、インフラや経済開発プロジェクト実施を加速する、新たな協定に署名しました。15件のプロジェクトが進行中で、JICAとイラク政府は2012年10月に新たに4件の円借款プロジェクトの協定を締結しました。これらのプロジェクトは総額41億ドル相当のJICAによる低金利で長期のイラク向け融資によるものであり、イラク政府が主体となりプロジェクトを実施します。

このパートナーシップのもと、UNDPはJICA、イラク政府とともに、プロジェクトのモニタリングと案件実施・監理能力強化において協働します。UNDPは事業実施をモニタリングすることで、案件実施におけるボトルネックを特定し、説明責任、透明性、効率性を促進し、イラク省庁がプロジェクトの実施を加速できるようアドバイスを行い、案件実施強化を図っています。15件のプロジェクト大半は現在進行中で、イラク国民へのサービス向上に貢献しています。

JICAイラク事務所の坂本威午所長は「UNDPは2009年から、イラクでJICAの重要なパートナーとして協働してくれています。本日、UNDPとのパートナーシップをさらに強化する新たな協定を結ぶことができて大変光栄です。JICAはイラク政府への融資プロクラムを通じて、国家にインパクトを与える有形のインフラプロジェクトを実施するだけでなく、イラク政府職員の能力を強化し、彼らが自分たちでプロジェクト管理できるように支援していきます」と話しました。

UNDPイラク事務所のジャクリン・バドコック代表は「JICAとの協力体制が継続できることになり、大変嬉しく思います。我々のパートナーシップはイラクの経済に大きな影響を与え、イラク人の日々の生活にも恩恵をもたらすでしょう」と話しました。

日本政府とイラク政府は、これらプロジェクト資金の使途をモニターする共同委員会を設立しています。同委員会は、イラク首相の諮問委員会、イラク計画省、同財務省、日本大使館とJICAの代表者のリーダーシップのもと、イラクの省庁と定期的に会合を持ち、プロジェクト進捗について協議しています。このメカニズムは、プロジェクト実施における問題や解決方法を特定するだけでなく、民間セクターの発展に貢献できるようにイラクのビジネス環境改善にも資するものです。

共同委員会の委員長を務めるタミール・ガードバン氏は「イラクはJICAとUNDPのより強固なパートナーシップを歓迎いたします。両機関は力を合わせて、イラク政府のプロジェクト実施・監理能力、国際基準のビジネスへのアプローチ能力を発展させると同時に、イラクの国家インフラや多様な経済プロジェクトの改善に貢献してくれるでしょう。本日署名された協定に基づく、JICA、UNDP、イラク政府の3機関が参加するメカニズムは、パートナーシップとオーナーシップ(主体性)の概念に基づく国際協力のよい事例といえます」と話しました。