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シエラレオネ 開発のための武器回収プロジェクト

シエラレオネ-- リベリア国境の国境警備隊基地

シエラレオネ-- リベリア国境の国境警備隊基地


シエラレオネ-- ギニア国境の国境警備隊基地

シエラレオネ-- ギニア国境の国境警備隊基地


シエラレオネでは、約11年間に及んだ内戦が2002年に終結しましたが、武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プロセスを終えた後も依然として各地に非合法の小型武器が残っており、同国の治安を脅かしていました。これは、内戦中に大量の武器が流入し、市民の間にも広く流通していたことによります。本プロジェクトでは、武器の自発的引き渡しに対する見返りとして地域の開発を支援し、平和の定着、人間の安全保障、社会経済開発のための環境整備に貢献しました。

2004年より開始された本プロジェクトは、同時に、国家レベルの政策や法律の整備と、武器の不正取引の防止対策として国境での警備強化を含む組織の能力強化を目的としました。実施にあたっては、日本政府より2度にわたり、合計3億9700万円の資金提供を受けました。日本政府拠出部分の活動は、2005年に開始、2010年に終了しました。

日本政府からの資金は、シエラレオネとリベリアおよびギニアとの国境にそれぞれ設置された2か所の国境警備隊基地の建設と警備業務に携わる人材育成に充てられました。建設予定地が遠隔地であることに加え、道路の未整備により建設資材の運搬が困難であった為に請負会社を探すのに難航しましたが、ギニアとの国境基地は2010年6月に、リベリアとの国境基地は同年12月に完成しました。

本プロジェクトは、同国における小型武器管理体制の基盤作りに大きく貢献しました。本プロジェクトを通じて、シエラレオネ政府のDDRプロセスでは回収できなかった約1400丁の登録済みの小型武器、4800丁近くの登録されていない非合法な小型武器等を回収することができました。今では、武器の不法所持による事件はわずかとなり、非武装で警察業務を行えるようになるまでに治安状況は改善しました。また2010年6月には、小型武器の製造、輸出入および使用の管理を目的とした国家委員会が設立されました。さらに、プロジェクトを通じた新たな国境警備隊基地の建設および国境警備員の人材育成により、同国の国境付近の治安も改善されました。現在、国境警備隊基地は違法薬物の密売を取り締まる機能も果たしています。本プロジェクトの成果は、同国を経由した違法薬物の国際的密売組織に焦点を当てた国連諸機関による「国際連合合同ビジョン(2009-2012)」に引き継がれています。