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イベント 2004年10月13日 東京
HDR2004日本語版発表記念シンポジウム「この多様な世界で文化の自由を」開催される

 10月13日、UNハウスのウ・タント国際会議場にて、「人間開発報告書2004」の日本語版発表記念シンポジウム「この多様な世界で文化の自由を」が、学生から開発関連機関関係者等幅広い分野からの聴衆約200名の出席のもと、開催されました。

 前半は、近藤誠一 外務省広報文化交流部長による冒頭開会挨拶に続き、マーク・マロックブラウンUNDP総裁による基調講演が行われました。この中でマロックブラウン総裁は、「重要なことがらの決定は多数で協議すべきである」と謳う聖徳太子による憲法十七ヵ条の例を取り上げ、日本に古代より息づく民主主義と寛容の精神が現代の多様な社会においても重要であり、世界の人々が自分のアイデンティティーを自由に選択できる文化的自由が必要であるとする「人間開発報告書2004」の主張を説明しました。また人々がこの文化的自由を手にするためにはミレニアム開発目標(MDGs)を達成することが必要であり、このためには日本を含めた世界の国々による政治的意志の実行が急務であることを訴えました。
 後半のパネルディスカッションでは、廣野良吉氏(成蹊大学名誉教授)による議事進行のもと、ピーター・バラカン氏(ブロードキャスター)、カルマ・ウラ氏(ブータン研究センター所長)、草野厚氏(慶応大学教授)、蟹瀬令子氏(株式会社イオンフォレスト社長)という多彩なパネリストが、文化や民族の多様性の確保と自由の問題について、それぞれの角度から意見を述べました。グローバル化の中での世界的レベルにおける多様性の許容と平和と国家統一の両立、政府による多文化推進政策に関する問題、地域レベルにおける取組み、そして日本における多文化の受け入れの問題等が活発に議論されました。