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ニュースルーム −プレスリリース−

2012年10月11日

ユニ・チャームが中東とアジアの3600万人の低所得層の女性に手ごろな価格で衛生用品を提供

【2012年10月11日、ニューヨーク、東京】日本の日用品メーカー大手のユニ・チャーム株式会社は、インクルーシブビジネス*モデルを通じて、貧困削減と持続可能な開発を実現する世界的なイニシアティブ(取り組み)である「ビジネス行動要請(Business Call to Action: BCtA)」に参加し、中東・北アフリカ地域とアジアに暮らす3600万人の低所得層の女性に手ごろな価格で衛生用品を提供することを表明しました。

*インクルーシブビジネス:貧困層を生産者・消費者・労働者として取り込み、貧困層が必要とする雇用・商品・サービスを生み出すことにより、貧困層の人々の選択肢と機会を広げるビジネス。

海外市場の拡大に伴い、ユニ・チャームは2020年までに、現在年間100億個のおむつの生産高と年間120億個の生理用ナプキンの生産高を3倍以上に拡大する見込みです。ユニ・チャームが生産する衛生用品の40%が中東・北アフリカ地域とアジアで生産されるとともに、これらの地域の低所得層に販売されます。

また、生産を現地する一環で、ユニ・チャームはエジプト、インド、インドネシア、サウジアラビア、タイ、ベトナムにおいて、8000人の女性を新たに雇用し、これらの国々における女性雇用者数をほぼ倍増させる計画です。

ユニ・チャーム株式会社代表取締役社長執行役員の高原豪久氏は「この取り組みを通じて、中東・北アフリカ地域とアジアの市場を拡大するとともに、何百万人もの女性の貧困削減と地位向上に貢献したいと考えています。また、この取り組みを通じて、持続可能でインクルーシブな開発に貢献できること、そして、このようなビジネスを世界に提示し、市民社会の一員としての責任を果たすことができるのは非常に光栄です」と述べています。

生産を現地化して製造を合理化するとともに、包装をシンプルにすることによって、ユニ・チャームは、これまで生理用ナプキンとおむつを買うことができなかった低所得の消費者にこれらの商品を提供します。生理用ナプキンの使用によって、女性は生理期間中でも経済活動に参加することが可能になります。

BCtAプログラムマネージャーのサバ・ソバーニは「この取り組みは、企業が率先してミレニアム開発目標(MDGs)の目標3(ジェンダー平等の推進と女性の地位向上)の達成に貢献する、非常によい事例です。貧困層が購入できる衛生用品を提供するとともに、女性のフルタイムの就業機会が限られている地域で女性を雇用することによって、ユニ・チャームはビジネスの拡大と同時に、中東・北アフリカ地域とアジアに暮らす女性の生活の向上を実現しています」と述べています。

設立50年を迎えたユニ・チャームは、アジア市場を中心に、紙おむつ、生理用ナプキン、介護用品、生活用品、ウェットティッシュ、ペットケア用品、家庭用の清掃用品、食品包材などを提供しています。グループ社員数は約1万300人で、連結子会社40社との関連会社2社を擁しています(2012年3月末現在)。

BCtAは、民間企業が商業的な成功と持続可能な開発を両立する革新的なビジネスモデルを構築することを支援する、世界的なイニシアティブ(取り組み)です。国連開発計画(UNDP)はこのイニシアティブを推進する機関の一つで、事務局も務めています。

今年9月25日には、ユニ・チャームは他の多くの企業とともに、市場を通じて利益を生みながら開発を促進し、世界中の何千万人もの人々の生活を向上させるBCtAの取り組みを国連の場において表明しました。

世界の貧困層の生活を向上し、MDGsを推進するBCtA が2008年に発足して以来、55以上の企業が具体的な期限と目標を設定して、農業開発、保健・栄養、金融機会の提供、エネルギー・教育・水・下水道へのアクセス、住居、性別による格差是正などの分野での革新的なビジネスを通じて、その要請に応えてきました。

BCtA参加企業はこれまでに、42の中・低所得国で23万8000人以上を雇用し、57万5000人以上に職業訓練の機会を提供してきました。現在進行中のBCtAの取り組みによって、8000万人以上がエネルギーへのアクセスを得て、7500万人の健康が改善され、4000万人が金融サービスを受けることができるようになる予定です。


ビジネス行動要請(Business Call to Action: BCtA)は、民間企業が、商業的な成功と持続可能な開発を両立する革新的なビジネスモデルを構築することを支援する世界的なイニシアティブ(取り組み)です。オーストラリア国際開発機関(AusAID)、オランダ外務省、スウェーデン国際開発協力庁、イギリス国際開発局(DFID)、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)、国連開発計画(UNDP)、国連グローバル・コンパクト、クリントン・グローバル・イニシアティブ、国際ビジネス・リーダーズ・フォーラムの協力によって推進されています。

ユニ・チャーム株式会社(本社:東京)は1961年に設立された、ナプキンなどの生理用品、紙おむつなどのベビー用品、大人用のケア用品、シートクリーナーなどの生活用品、ペットフードとペットケア用品などのメーカーです。


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