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ニュースルーム −プレスリリース−

2003年09月16日

北京
WID基金「中国のWTO加盟:女性への影響調査」発表される

 UNDP・日本WID基金の資金提供により、国連開発計画(UNDP)、国連女性開発基金(UNIFEM)、中国・国家開発改革委員会(NDRC)、中国国際経済技術交流センター(CICETE)が共同で作成した報告書、「中国のWTO加盟:女性への影響調査」が、9月16日に北京で発表されました。式典には関連省庁、国連機関、NGOなどが参加しました。

 2001年の中国のWTO加盟は、中国にとって重要な出来事でした。世界経済への統合は、輸出入の自由化と外国企業への市場開放によってさらに進むでしょう。こうした動きが大きな社会経済的影響を及ぼすことは必至です。しかし、グローバリゼーションや貿易の専門家、経済計画者、政策決定者、立法者には、中国のWTO加盟が農業・工業部門等主要セクターにおける女性の経済的安定や雇用に与える影響に関しては、よく知られておらず、このような視点に基づく分析もおこなわれていないのが現状です。中国における今後の国内体制の改革の計画・実施・モニタリングの各段階にジェンダーの視点を取り入れることが不可欠であるとの認識に基づき、UNDP、UNIFEM、NDRC、CICETEの各機関は、WTO加盟が男女に与える様々な影響を調査するためにパートナーシップを組みました。UNDP・日本WID基金はこの画期的な試みを支援し、資金提供をおこなっています。

 報告書では、産業および農業に従事する女性たちに、雇用、所得配分、社会保障などにおいてどのような影響がもたらされるのかが調査されています。中国でこのような「ジェンダー」の視点に基づいたWTO の影響調査が行われたのは初めてのことです。リサーチ・チームは、既存の文献を見直すと共に、中国の五県において現地調査をおこない、結果をとりまとめました。この調査は、ジェンダーに関する研究資料の作成や中国の主要研究所におけるジェンダー研究の発展を促し、さらに中国がWTOとその影響に関する国際的な研究や情報交換に参加する契機となりました。

 調査結果に基づいておこなわれた提言は、中国の政策立案過程に男女の格差是正という視点を取り入れるためのスタート地点となるものです。また、この調査は中国におけるさらなる研究の基盤となり、将来他国との比較調査をおこなう上でも役立つものと思われます。

 今後、プロジェクトは政策提言とキャパシティ・ビルディングをおこなう第二段階に移ります。プロジェクトは、政策対話を通してジェンダーに配慮した政策立案を促進し、行政システムがグローバリゼーションの進行に対して、公平に対応する能力を高め、ジェンダーの視点を取り入れた研究の推進を目指します。これらの目標を達成するために、全国人民代表大会代表、各省庁、研究所、女性団体、国際機関等は共同でワークショップを開催していきます。さらに、ジェンダー問題やグローバリゼーションに関する認識を高めるため、マスコミなどを通したキャンペーンを行うことになっています。

この報告書は、UNDP本部ウェブサイト内のジェンダー・ページで近日中に公開される予定です。
www.undp.org/gender

以上


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