行動を起こすためのヒント:どんなことを? |だれと?

貧困と健康

この地球上に暮らす人間が100人だとしたら、そのうちの14人は基礎的な保健医療サービスを受ける権利がないことになります!

 貧困層を含むすべての国民が全く同等の保健医療サービスを受けられる国は、この世界に一国としてありません。途上国ではなおさらです。相当数の人々が知識の欠如、つまり教育や情報の欠如ゆえに、医薬品や食料の選択を誤っています。職場では、病気や脆弱な健康状態が生産性を低下させ、職を失う原因ともなりかねません。学校ではこれが子どもの学力低下につながります。十分な情報がなく適切な治療も受けられない結果、貧困国ではエイズが一段と猛威を振るっています。

この地球上に暮らす人間が100人だとしたら、そのうちの13人は40歳までしか生きることができないのです。

 

貧困と健康 ‐さらに詳しく説明すると-

 富める国、貧しい国を問わず、低収入や失業によって、人々が医療を利用できない状況がしばしば生じています。さらに、十分な教育を受けられず情報を入手できないために、地球上の何百万もの人々が病気の予防法、治療法や、歯の手入れの仕方などを知りません。いくつかの途上国における妊産婦の死亡率は、最も医療環境の整った先進国の18倍にものぼります。呼吸器系疾患をはじめマラリアやエイズといった病気は人々の生産性を低下させ、しばしば家族の生活に重くのしかかります。

 途上国の行政機構は財源不足のため、エイズの蔓延を食い止めることも、エイズの社会的、経済的影響に対処することもできずにいます。現在、一部の国では経済活動に従事する人口の相当部分がエイズによって失われつつあり、開発プロセスに深刻な影響を及ぼしています。高価な医薬品を手に入れることができるのは、ほんの一握りの人のみです。そのうえ人々のエイズに関する知識が十分でないため、エイズ患者は差別にも苦しめられています。周囲から拒否され取り残されることで、彼らはますます貧困に追い込まれています。

 富める国、貧しい国を問わず、栄養失調は多くの健康問題を引き起こし、子供が学校教育の恩恵を十分受けることや、大人が職場で能力を十分発揮することを妨げています。一部の国では安全な飲み水や下水設備が利用できないために深刻な健康問題が生じています。さらに、不十分な保健医療設備や広範囲におよぶ貧困の結果、技能のある医療従事者の貧困地区で働く意欲はそがれます。劣悪な勤労条件に失望した医師の多くは高い給料に魅力を感じ、北の先進諸国へと移ってしまいます。

 識字プログラム、学校教育、保健医療・栄養に関する啓蒙活動、無料予防接種キャンペーン、水・衛生設備の全世帯への普及などが、現状改善するための手掛かりとなります。さらに中央・地方政府は、無償の基礎保健医療サービスの提供や保健医療への補助金支給などを提供することもできるでしょう。個人や地域を基盤とした連帯もまた、困窮している人々の助けとなります。

 現時点では大々的な広報活動や意識向上キャンペーンが、エイズ・ウイルスの拡散を効果的に食い止める最善の方法です。今後はさらに、医療・保健機関や政府機関を強化し、病気に苦しむ人々全員が差別されることなく、それらの機関を利用できるようにする必要があります。また、女性や子ども、特に孤児は最優先に保護されるべきです。男性に対しては、エイズ・ウイルスを広めてしまう危険性があることを自覚するよう、十分な情報を伝える必要があります。政府は国の開発計画・戦略の中心にエイズ撲滅を据え、治療薬を全員に配布するために必要な措置を講じなければなりません。民間の企業や研究機関は、治療薬の価格を貧困者にも手の届く水準に引き下げることにより、エイズとの闘いを支援することができます。、エイズ撲滅に向け必要な財源を集め世論を集結するために、民間部門、先進国政府、NGO、各国の様々な機関など社会のあらゆる立場の人々や機関が、自らできることをしなければならないと言えます。

 そして最終的には、所得創出と政府の適切な政策が一体となって慢性的な貧困に終止符が打たれ、健康・栄養問題が解決されることが望まれます。

どんなことを?

だれと?

日本
その他の国