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貧困と女性

この地球上に暮らす人間が100人だとしたら、15人の成人は読み書きができず、そのうち10人は女性によって占められています!

 女性は男性以上に多様な貧困の苦しみを味わっていますが、これは女性があらゆる種類の著しい不平等の犠牲者であるためです。例えば、女性は教育、保健医療、生産手段、財産、責任ある政治的地位への機会を男性と平等に与えられていません。しかしながら、生産や社会生活において女性は重要な役割を担っているのです。農業・酪農、繁盛して大忙しの店の経営、地域社会とのつき合い、子どもの養育など、女性は社会にとって重要な存在です。女性が貧しければ、社会全体が病んでいきます。

全世界の平均を見ると、政府閣僚に占める女性の割合はわずか7%、女性議員の割合は12%に過ぎません。

貧困と女性‐さらに詳しく説明すると‐

 貧困は男性よりも女性に大きな影響を及ぼしています。だからこそ、女性の地位向上が貧困削減の歩みをより速く、より力強いものにするのです。女性はさまざまな貧困の苦しみを味わっていますが、その多くは教育の機会、生産手段の利用や財産管理における不平等、そして時には家庭や社会における権利の不平等に端を発しています。実際にこうした不平等は家庭全体に、特に子どもにマイナスの影響を与えており、結果的に地域全体に悪影響を及ぼしています。

 女性は多くの国で、農作業や家畜の飼育など、多様な形で所得創出活動を担っているにもかかわらず、財産権がなく、起業の元手を工面することができないために、貧困から抜け出すチャンスを掴むことができません。貧しい世帯では男子の教育や職業訓練が優先されることが多く、兄弟の教育費を支えるために女子が働きに出なければならないこともあります。女性には男性の食べ残しがあてがわれるような地域もあります。また保健医療施設の利用が制限されているために、命が危険にさらされることもあります。また、女性の権利が認められている地域であっても、貧しく読み書きができない場合などには、女性はしばしば自らの権利自体を知ることができずにいます。

 先進国においてもなお男性のほうが女性よりも職を得やすい状況にあります。男女間の賃金は不平等で、女性が高い地位の職に就くことは難しく、いまだに性別による差別的な役割分担が存在しています。そのうえ、賃金が低い上に保育サービスを低料金で利用できないことが、失業手当を受けている母親の再就職を阻んでいます。また、先進国では、貧困層に占めるシングル・マザーの割合が極端に高くなっています。貧困と低学歴もまた、女性が健康被害やHIV/エイズを含む性感染症、望まない妊娠、社会的虐待、家庭内暴力などの犠牲になりやすい原因となっています。性別による不平等は女性を傷つけるだけでなく、女性が暮らす家庭、地域、ひいては国全体にも損害を与えるのです。

 効果的な貧困削減策は、女性の権利に根ざしたものであるべきです。女性が担う多様な役割を認め、女性の経済活動のみならずインフォーマルで対価の支払われていない社会的活動の重要性を認識しなければなりません。また、初等・高等教育、保健医療、性と生殖に関連した健康問題、信用貸付、財産への女性のアクセスを確保するとともに、栄養、HIV/エイズ、法的権利や社会給付の受給資格に関する情報を女性が確実に得られるようにすることが、貧困削減を図るうえでの重要な戦略となります。また、これらはジェンダー格差を是正していくうえでも欠かせない手段です。

 このほか、低所得のワーキング・マザーが利用できる保育サービス、女性世帯主の支援、女性の責任ある職への就任の促進、婦女子に差別的な文化的偏見や社会習慣の変革といったこともまた重要です。

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