行動を起こすためのヒント:どんなことを? |だれと?

貧困と環境

環境汚染は毎年、全世界の約250万人の命を奪っています!

土壌の劣化と侵食、化学薬品の使用や乱用、長期にわたる過剰な放牧や森林伐採が小規模自作農民の収入を圧迫し、彼らを貧困に追いやっています。大気、水、土壌の汚染は地球のあらゆる生命の健康を脅かしています。教育を受けられず情報が得られないため、貧困層は天然資源を適正に管理することができないばかりか、持続可能な環境保護を計画し実践することもできません。

21世紀が幕を開けた今日、哺乳動物の12%、鳥類の11%、魚類・爬虫類の4%が絶滅の危機に瀕しているのです。


貧困と環境‐さらに詳しく説明すると‐

 きれいな空気や水、肥沃な土壌、二酸化炭素を酸素に換える森林などに代表される天然資源は、単に生きるために必要であるというだけでなく、何十億もの人々が経済活動を営むうえで欠かすことのできない基本的な資産でもあります。浸食による土壌の劣化、化学製品の乱用、過度の放牧、水の管理不足による土壌の塩類化が、小規模農家の収入基盤を奪い、彼らを貧困へと追いやっています。

 炊事・暖房用の燃料、住宅建材、工芸用の素材としての木材、その他の資源を、貧しさ故に無計画に採取することによって森林が消失してしまった場合、それまで資源に大きく依存してきた、貧しい人々は生きる糧を奪われることになり、さらなる貧困の悪循環と環境の悪化が招かれます。十分な教育と情報が得られない結果、貧しい人々は利用可能な天然資源を持続的かつ適正な方法で管理することが困難になります。そのことによって、今度は生計手段が失われ、生物の多様性が損なわれることになるのです。

 大気、水、土壌の汚染は経済資産に損害を与えるばかりか健康被害をももたらします。高度な知識を持たず環境に優しい技術に投資する資本もないため、貧困層は環境面で問題のある生産技術に頼ることになり、その結果大気が汚染されます。大気汚染は地球温暖化や気候変動の原因ともなります。しかし貧困国はこれらの地球規模の問題に対処するだけの余裕はありません。適正な水管理に関する情報の不足から生じる水質汚染は、土壌を不毛にし、漁業を脅かし、健康被害を生じさせ、貧困層に一段と深刻な影響をもたらしています。

 農村部に住む貧しい人々は貧困のために辺境の地に追いやられ、浸食の加速、生態系の一層の脆弱化、地滑りなどが生じます。貧困地域では財源不足からゴミ収集や廃棄物処理が適正に行われないために健康問題が発生します。また、エネルギー資源の不適切な利用形態は、エネルギーの浪費体質と高コスト化を招き、最終的に貧しい人々はその恩恵を受けることができなくなっています。

 貧困を削減し、貧困が環境に及ぼす悪影響を低減するためには、初等教育と職業訓練の完全普及、地域への適正な農業手法に関する情報提供、廃棄物管理、天然資源管理、沿海部の保全、水資源管理、漁業管理などの取組みが不可欠です。森林伐採に歯止めをかける措置や植林計画によって、貧困層はより持続可能な資源基盤の確保が可能になります。低コストで燃料効率の高いストーブや暖房器具を現地で生産することは、環境を保護しながら低所得世帯の燃料費の負担を軽減するうえで大きな効果があります。

 環境破壊をもたらす生産技術に代わって環境に優しい生産技術を導入し、人類の共通財産を保全するには、国際協力が必要です。地方自治体や地域に根ざした組織への支援、特に廃棄物処理分野への支援は、雇用創出につながるとともに環境負荷を軽減することにもなります。


どんなことを?

だれと?

日本
その他の国