第四回アフリカ・アジア・ビジネス・フォーラム:アフリカの社会経済開発におけるビジネスの役割が焦点に

2007年2月14日 ダル・エス・サラーム (タンザニア)


「アフリカは希望に満ちたケースです。発展を続けるアフリカは、この地球の未来の新興市場です。」と2月12日に開催されたAABF IVの開会式の基調演説でタンザニアのジャカヤ・キクウェテ大統領は述べました。

第四回アフリカ・アジア・ビジネス・フォーラム(AABF IV)は、1億5,600万米ドル相当の商談成立という成果をあげ、本日閉幕しました。

「今回のAABF IV最大のニュースは、アフリカとアジアの企業間で58件、アフリカ企業間で59件、合計118件もの覚書 (MOU) が成立したことです」 と、ボウナ・セマウ・ディオフUNDPアフリカ局アフリカ開発会議 (TICAD) 部長/アフリカ局長 (国連事務次長補) 上級顧問は述べています。「さらに重要なことは、AABFIV終了までに過去3回のAABF会合の合計額1億5,290万米ドルを上回る1億5,600万米ドル相当の覚書の成立に貢献できたことであります。」

これらの成果が示す通り、AABF IVでは、アフリカ域内の企業間パートナーシップの構築・強化のための重要な契機となりました。アフリカの女性経営者の努力によって成立した取引は総額6,600万米ドルに達します。成立した商談の地理的分布も、アフリカ域内、アフリカ−アジア間、三者間 (アフリカ−アフリカ−アジア、アジア−アジア−アフリカ) と多様で、参加者の目的も様々です。このような結果はすべて、有望なビジネスの場としてアフリカを積極的に振興しようという試みに対する、企業側の関心の高まりを示しています。

締結した覚書をセクター別に分析したところ、以下のような結果が示されました。
農業関連−加工:35件、7,900万米ドル、医療機器/医薬品:13件2,200万米ドル、繊維 (織物) /衣類:12件、1,900万米ドル、化学製品:9件、600万米ドル、木製品/家具:9件、400万米ドル、建設・設計:8件、100万米ドル、自動車:6件、100万米ドル、観光:5件、300万米ドル、電気製品:2件、400万米ドル、輝石:2件、400万米ドル、製造:2件、100万米ドル、鉱物製品:2件、500万米ドル、包装:2件、3万米ドル、運輸:2件、アフリカ工芸品:1件、20万米ドル、エネルギー:1件、650万米ドル、鉱業:1件、70万米ドル、技術/IT機器: 1件

AABF IVの具体的な内容は下記の通りです:
  • AABF IVにおいて、タンザニアのキクウェテ大統領が基調講演を行いました。
  • 3日間にわたり開催されたAABF VIには、アフリカ17カ国、アジア7カ国計24カ国から参加者が集まりました。
  • 厳正なる審査プロセスを経て、228社 (タンザニアから115社と日本から11社) のアフリカ企業と41社のアジア企業合計269社がAABF VIへの招聘状を手にしました。実際に参加した159社のうち、129社はアフリカから、残り30社はアジアから参加しました。アフリカ企業123社のうち67社がタンザニア企業でした。
  • アフリカ企業は次の各国から参加しました:ベナン、ブルンジ、カメルーン、コンゴ (共和国) 、コートジボワール、エジプト、エチオピア、ケニア、マラウィ、モーリシャス、ナイジェリア、ルワンダ、南アフリカ、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ。アジアの企業は、中国、インド、日本、パキスタン、シンガポール、スリランカ、タイから参加しました。
  • 今回初めて、北アフリカ地域も含めた全アフリカ諸国へ招聘状が出されました。また、AABF史上、初めて日本企業が参加しました。
  • AABF IVと同時に、UNDP南南協力部の主催により、中小企業 (SMEs) の資金調達に関するシンポジウムが開催され、アフリカの商業銀行よび開発銀行関係者が出席しました。AABF IV参加者には、成立した商談の資金調達に関する相談の機会も提供されました。

基調講演でキクウェテ・タンザニア大統領は、「アフリカとアジアの企業のパートナーシップ構築を促進するメカニズムとしてAABFは、既に大きな成功を収めています。その成果として、両地域間の貿易、投資、技術移転が加速しています」と述べました。さらに大統領は、「年月を経て、TICADは、単なる一つの会議の場からアフリカの開発を推進する重要な国際的協力のフレームワークへと進化を遂げました。過去3回のAABFの成功はTICADイニシアチブの有効性の証しといえます」と述べました。

AABFの勧告の一つとして、ビジネス促進のために多様性と比較優位を活用し、雇用創出をもたらすような投資を促進し、地場産業の育成支援にプラスの波及効果をもたらすために、アフリカ企業間の相互信頼/信頼醸成の必要性が提起されました。

パキスタンを拠点とするテクノビジョン製薬のアブダラ・クレシ氏 (Dr. Abdullah Qureshi) は、アジア企業関係者を代表して記者会見に出席し、商談の成立は、2大陸間の企業が実際に合弁事業に着手する前段階において、相互交流を図り、信頼を醸成できたことの証しであると述べました。「AABFの目的はまず、アフリカとアジアの間で相互信頼を構築することです。そしてアジアの人々にアフリカのビジネス・パートナーの存在を認識してもらうことを目指しています」と語りました。

AABFに初めて参加したナイジェリアに拠点を置くイマーセル・グループの最高経営責任者であるデビット・エティム氏 (Mr. David Etim) は、 ダル・エス・サラームで開催された今回の会合が、これまでで最も成果をあげたAABFであると考えています。彼の会社は6件の覚書を成立させましたが、アフリカ企業間の協力がなければ、アジアのカウンターパート企業との取引の成功はありえないとエティムさんは述べています。「取引の実現には、成長途上にあるアフリカ企業が資金にアクセスできるよう、アフリカの銀行からの協力がまず必要となります。」さらにエティム氏は、「アフリカのビジネスには、アフリカが中心となって自ら事業を拡大していくという姿勢が求められています」と付け加えています。

参考 AABF 概要 (外務省ウェブサイト)

以上
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