アジアとアフリカの起業家を結ぶ新しい電子プラットフォーム

2005年4月22日 ニューヨーク(米国)

日本の小泉純一郎総理大臣は本日、アジアとアフリカの貿易・投資の促進を目的としたウェブサイト、「TICADエクスチェンジ・ネットワーク」の立ち上げを発表しました。1955年に開催されたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の50周年を記念するアジア・アフリカ首脳会議がジャカルタ(インドネシア)で開催されるのにあわせて創設されるTICADエクスチェンジは、アジアとアフリカの両地域間の、また官民セクター間の力強い交流を促進するメカニズム構築に向けた第一歩となります。

インドネシア商工会議所が主催するバンドン会議50周年記念行事、「アジア・アフリカ・ビジネス・サミット2005」において小泉総理は、「アジア・アフリカ間の貿易投資の障害の一つとして、情報不足が繰り返し指摘されています。我が国政府は、今回の会議の機会にUNDPやUNIDOと協力して、インターネットを活用してアジア・アフリカ両地域のビジネス関連情報を提供する「TICADエクスチェンジ・ネットワーク」を新たに立ち上げました。こうした取組が、両地域の貿易投資関係の一層の発展の一助となることを期待しており、皆様には是非ご参加・ご活用頂きたいと思います。」と述べました。

小泉総理はまた、アジア・アフリカ首脳会議において、「今後3年間でアフリカ向けODAを倍増し、引き続きその中心を贈与とする考えであることを表明します」と述べました。また、2008年にTICAD IVを開催することも付言しました。

現在、ウェブサイト上で公開・運営されている「TICADエクスチェンジ・ネットワーク (http://www.TICADExchange.org)」 は、国連開発計画(UNDP)アフリカ局TICAD担当部が、国連工業開発機関(UNIDO)の「UNIDOエクスチェンジ・プログラム」による技術支援を受けて開発・管理しています。日本政府の資金提供を受けて運営されている「TICADエクスチェンジ・ネットワーク」は、新しいビジネス機会の特定を円滑に行い、ユーザー間の情報交換の場をインターネット上で提供するため、貿易投資関連の簡単で利用に便利な情報基盤を整備することを目指しています。「TICADエクスチェンジ・ネットワーク」は、ウェブベースの情報ネットワークで、マクロ及びミクロの経済指標、産業生産関連データ、貿易投資政策、アフリカ諸国の法規制を含む幅広い情報を提供しています。
「アフリカ8カ国、すなわちカメルーン、ガーナ、ケニア、セネガル、タンザニア、チュニジア、ウガンダ、ザンビアがモデル国として選ばれました。」と、ボウナ・セマウ・ディオフUNDPアフリカ局アフリカ開発会議(TICAD)部長/アフリカ局長(国連事務次長補)上級顧問は述べ、「このサービスは間もなくアフリカ全土に広げられる予定です」と続けました。

「TICADエクスチェンジ・ネットワーク」は、アフリカ諸国政府の貿易投資促進関連サイト、世界銀行、UNIDO、国連貿易開発会議(UNCTAD)等の国際機関や研究機関が収集・管理する関連データおよびケーススタディのウェブサイトへのリンクも提供しています。企業の概要、製品関連情報、投資ニーズ情報を提供する商工会議所やアフリカの民間企業のディレクトリーも備えています。

「TICADエクスチェンジ・ネットワーク」は、AFRASIAビジネス評議会(http://www.afrasia.org)、アフリカ・アジア・ビジネス・フォーラム(AABF)、アジア・アフリカ投資・技術移転促進センター(ヒッパロス・センター:AAITPC − http://www.unido-aaitpc.org)等TICADイニシアティブのウェブサイトにもリンクされています。次の段階では、アジア市場や投資家に関するデータもポータルに追加される予定です。

1955年、インドネシア西ジャバ州のバンドンで開催されたバンドン会議は、アフリカとアジアから約29カ国の代表が参加した画期的な会合でした。バンドン会議の目的は、植民地主義に対抗し経済及び文化面での協力促進であり、これが1961年の非同盟諸国首脳会議につながりました。今回の50周年記念アジア・アフリカ首脳会議には、国連のコフィ・アナン事務総長を始め40カ国の首脳が参加しました。同会議は、アジアとアフリカの経済貿易関係構築を加速する好機となることでしょう。

以上
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