TICADアジア・アフリカ貿易投資会議、閉幕

2004年11月2日

TICADアジア・アフリカ貿易投資会議 (AATIC) は11月2日、2日間の日程を終え、閉幕しました。本会議には、ナイジェリアのオバサンジョ大統領、ケニアのキバキ大統領を初め、アフリカ50カ国およびアジア14カ国より総勢723名の代表団が参加したほか、国際機関、地域機関、民間企業および非政府組織からも代表者が集いました。

1日の開会式において、日本の小泉純一郎首相は、「貿易・投資は本来民間企業の活動です。同時に、貿易・投資の果実を経済成長と貧困削減につなげるためには、政府の役割が必要不可欠です」と延べ、アフリカ各国の首脳に対し、貿易を活発化させ、アジアからの投資を呼び込めるような健全な産業政策をとるよう、呼びかけました。同首相がスピーチで提案した、アジア・アフリカの間の貿易と投資の一層の促進を提案する内容の戦略的プランでは、投資を促進し援助を強化するための課題として、政府による「適切な政策」、「商品開発」、「地場中小企業の振興」、「民間企業の社会貢献の促進」、という4つのコンセプトが打ち出されています。

また、現在アフリカ連合 (AU) 議長を務めるナイジェリアのオバサンジョ大統領は、海外投資を誘致するために「長い道のりを要する改革を実行することの緊急性が認識されつつある」と述べました。同大統領はアフリカについて、「依然として困難な課題に直面している」と述べ、援助、インフラ建設、技術協力や大幅な債務削減といった北の先進国による相当量の資金供給の必要性を訴えました。ケニアのキバキ大統領は、「2つの地域の産業界を、継続的に橋渡しする必要がある」と述べました。

UNDPの代表団を率いるディアブレ副総裁は、「UNDPにとって、開発支援の一環としてのグローバルなパートナーシップの促進は、活動分野の中心に位置付けられるものであると同時に、ミレニアム開発目標 (MDGs) 達成に向けた取組みの調整と、進捗状況の監視という使命の一部でもある」「アフリカ開発会議 (TICAD) プロセスは、我々にこのような責務を再認識させると同時に、幸運にもUNDPを日本と結び付けている長年の多方面の協力関係は、我々がこうした取組みに集中し、活動を強化させることに役立っている」と述べました。

UNDPはTICAD共催者として、アフリカでビジネスを行うための中小企業の重要性に関する広範な情報を提供していました。UNDPが実施する民間セクター開発のためのアジア・アフリカ間の協力イニシアチブとしては、アジア・アフリカ・ビジネス・フォーラム (AABF) が挙げられます。同フォーラムでは、総額1億5,300万ドル相当の覚書 (MOU) 179件が成立したほか、まもなくガーナの首都アクラにアジア・アフリカ商工会議所が設置される予定です。またTICAD ITイニシアチブでは、シスコ・ネットワーキング・アカデミーを通じたトレーニングが実施されています。

尚、2日の閉会式では、アフリカ開発のための新パートナーシップ (NEPAD) 運営委員会の委員長とTICAD共催者の間で、相互に協力してアフリカにおけるビジネス促進に取り組むための政策的ガイドラインである「アジア・アフリカ間の貿易投資促進のための政策に関するTICAD-NEPAD共同枠組」が調印されました。

以上
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