新たなグローバル・パートナーシップに向けて

2003年9月23日

今月29日より、第三回アフリカ開発会議 (TICAD III) が東京で開幕します。同会議では、20ヵ国以上の国会元首を含む、実質的にすべてのアフリカ諸国からの代表団を迎え、アフリカ大陸の発展のためのグローバルなパートナーシップについて討議が行われます。

日本政府のイニシアチブのもと、国連 (UN/OSCALおよびUNDP) 、アフリカのためのグローバル連合 (GCA) によって開始されたTICADプロセスは、3日間にわたって開催されるこのTICAD IIIをもって、記念すべき10周年を迎えます。TICAD IIIイニシアチブはアジア・アフリカ協力を旗印に大きな発展を遂げてきたため、同会議においては、13ヵ国が代表団を送り込むアジア諸国が、アフリカ諸国に次ぐ強い存在感を示すことが予想されます。このほか会議には、22のドナー国、32の国際機関および15のアフリカ地域機関の参加が予定されています。

TICAD IIIでは、本会議および6つの分科会を通じて、アフリカが将来に向けて避けて通ることのできない諸問題が討議された後、最後に「TICAD10周年記念宣言」が採択される予定です。同宣言は、すべての参加者に対して、アフリカの開発プロセスにおけるアフリカ諸国のオーナーシップ (自助努力) の確保と、そのようなオーナーシップを保証するグローバルなパートナーシップを誓約させるものです。この宣言は、TICADが「アフリカ開発のための新パートナーシップ (NEPAD) 」と極めて近い性格を有していること示しています。なぜならNEPADは、アフリカ自身によって生み出された開発のためのフレームワークであり、NEPADでは、国際社会の支援を受けつつアフリカ自身のイニチアチブのもとで達成されるべきことが謳われているためです。

TICAD IIIにおいて討議される優先課題の選定は、今年に入ってからアフリカ各地で行われた広汎かつ集中的な討議を通じて進められました。3月にエチオピアのアディスアベバにおいて行われた高級事務レベル準備会合に続いて、3つの地域会合がそれぞれ、南部アフリカでは南アフリカのプレトリア (5月22、23日) 、東部・北部アフリカではケニアのナイロビ (6月5、6日) 、西部・中央アフリカではカメルーンのヤウンデ (6月23、24日) において行われました。
 TICAD IIIでは、これらの会合の協議過程で出された諸提案に沿って、6つの分科会が開催されます。会議2日目に予定されている分科会の討議分野は以下の通りです。

  • 平和の定着
  • キャパシティ・ビルディング
  • 人間中心の開発
  • インフラ (ICTを含む)
  • 農業開発
  • 民間セクター開発

これらの分科会では、TICAD IIIを共催する日本政府、アフリカのためのグローバル連合 (GCA) 、アフリカ担当事務総長特別顧問室 (OSAA) 、国連開発計画 (UNDP) 、世界銀行が、各組織の代表者を議長および進行役に据えて議論を主導します。日本からは小泉純一郎 首相が開会式で基調演説を行います。また、経済成長を通じた貧困削減をテーマとする第一日目の本会議では、アフリカ諸国から出席する各国首脳より発表が行われる予定です。

以上
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