20ヵ国以上からアフリカ首脳が訪日

2003年9月17日

9月29日から始まる第三回アフリカ開発会議 (TICAD III) では、20ヵ国以上からアフリカ諸国の首脳が東京に集まる予定です。同会議は、アフリカの将来の開発優先課題を確認する極めて重要なフォーラムであり、これらアフリカ諸国首脳の参加により同会議の重要性は一層高まることとなります。

参加が予定されているのは、「アフリカ開発のための新パートナーシップ (NEPAD) 」を主導する南アフリカのタボ・ムベキ大統領のほか、ナイジェリアのオルシェグン・オバサンジョ大統領、セネガルのアブドゥライ・ワッド大統領、現アフリカ連合 (AU) 議長を務めるモザンビークのジョアキム・チサノ大統領等です。NEPADは、アフリカ指導者たちの誓約イニシアチブとしてAUに採択されています。NEPADでは、国際社会とのパートナーシップのもとで実施される開発プロセスにおけるアフリカ諸国のオーナーシップが強調されており、TICAD IIIにおいてもNEPADが討議の焦点となる予定です。

1993年に、日本政府が、国連 (UN/OSCALおよびUNDP) 、アフリカのためのグローバル連合 (GCA) と共同で、アフリカ開発のための国際協調、特にアジア・アフリカ協力を促すための取り組みをスタートさせてから、TICADプロセスは今年で記念すべき10周年を迎えます。TICAD IIIでは、過去10年にわたる進捗状況を評価し、新たに確認された一連の優先課題を宣言する予定です。TICAD IIIを共催するのは、日本政府、アフリカのためのグローバル連合(GCA)、国連アフリカ担当事務総長特別顧問室(UN/OSAA)、国連開発計画 (UNDP) 、および世界銀行の5団体です。

TICAD IIIには、各国首脳に加え、アフリカおよびアジアの官民セクター、ドナー諸国、非政府組織、学界、市民社会から幅広い参加者が集います。38のドナーおよびアジア諸国のほかに、15のアフリカの機関、および32の国際機関から代表者が参加します。アフリカからは事実上、全53ヵ国から代表団が来日することになります。

現在のようなアフリカへの国際支援プロセスは、TICAD――1993年の第一回会議および1998年の第二回――において生み出されました。このTICADプロセスから生まれたイニシアチブは農業からハイテク産業にまで多岐にわたりますが、その中にはアジアの専門技術によってアフリカ諸国の情報通信技術の普及を進めるTICADイニシアチブも含まれています。

TICAD IIIに向けた準備段階としては、3月にエチオピアのアジス・アベバで開かれた高級事務レベル会合をはじめ、アフリカ各地で幅広い議題について一連の協議が行なわれました。3回の地域会合――南部アフリカ地域会合 (南アフリカ・プレトリア、5月) 、北部・東部アフリカ地域会合 (ケニア・ナイロビ、6月上旬) 、西部・中部アフリカ地域会合 (カメルーン・ヤウンデ、6月下旬) ――を通じて、準備プロセスにおける重要な情報が得られました。

地域会合では、東京での本会議での議題が設定され、アフリカ全土での平和の定着、ガバナンスの向上、アフリカの経済成長に欠かせない原動力として強調される農業開発、といった優先課題について合意が形成されました。地域会合ではそのほかに、TICAD IIIに向け、民間セクターの積極的参加、国家および地域レベルでのインフラ整備、人材育成の強化、HIV/AIDSおよびその他の感染症に対する迅速な対応策、水供給の改善などの優先課題が確認されました。

以上
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