UNDPの重点活動分野
UNDPは以下の4つの重点分野を活動の柱として、人間開発の実現に向けた各国の取り組みを支援します。
貧困削減とミレニアム開発目標の達成
現在、約12億の人々が1日1米ドル未満で生活し、約8億5千万人が飢餓に苦しんでいます。UNDPは、それぞれの国の状況や課題に応じて、ミレニアム開発目標(MDGs)を達成するために必要な支援を各国政府に提供しています。また、UNDPはMDGsの達成に向けて、啓蒙・啓発活動を行い、パートナーシップ構築やMDGsの進捗状況のモニタリングを行っています。
貧困を削減するには、人々の健康、教育や安全を含む多方面にわたる取り組みが求められますが、UNDPは、各国政府の包括的かつ一貫した貧困削減戦略の策定および実施を支援しています。一例としてギニアでは、紛争や自然災害による被災者のニーズに応えるため、政府によるMDGsを指標とした長期的な開発戦略の策定を支援し、農作物の収穫量の増加やHIV/エイズのまん延防止、教育機会の拡大、さらには政府の能力強化などを実施し、具体的な成果を上げています。
また、グローバル化の恩恵が公平にゆきわたるように貿易、労働、産業などの分野における政策立案を支援し、さらにグローバル化がもたらす課題に関して途上国同士が協力しあう「南南協力」を促進しています。
活動項目
- MDGs国別報告書の作成支援と貧困状況のモニタリング
- MDGs達成に向けた、貧困層を重視した政策改革
- マイクロ・ファイナンスを含む局部的な貧困削減イニシアティブ
- グローバル化の恩恵を貧困層にゆきわたらせる
- 民間セクターの開発
- ジェンダー問題の主流化
- 市民社会(CSO)の能力強化
- 貧困層のための情報通信技術(ICT)の開発
- HIV/エイズへの対策
- HIV/エイズ対策におけるガバナンス
- HIV/エイズ、人権とジェンダー など
民主的ガバナンス
民主的ガバナンスは、貧困層を含めたあらゆる人々の意見を政策決定プロセスに反映し、人々が職業、教育や生活などにおいて、より多くの自由な選択肢を持てるように包括的で公平な人間開発を実現するために不可欠です。UNDPは、各国の民主化への取り組みを支援する世界最大の機関として、プログラムにあてられた予算の4割を民主的ガバナンスの強化にあてています。公正な選挙は、民主的ガバナンスを支える柱のひとつであり、UNDPは平均して1週間おきに世界各地で選挙の実施を支援しています。2007年にはシエラレオネの国政選挙を支援し、同国初の民主的な政権の交代が実現しました。
UNDPは、健全で安定した議会制度、効率的な行政運営、汚職の防止や公正な司法制度の構築を支援しています。ジェンダーに配慮した政策や予算の策定などを通じ、ジェンダーに基づく不平等を是正するための各国政府の取り組みも支援しています。
自由なメディアと情報へのアクセスは、人々の知る権利を保障し、汚職防止や優先課題への重点的な予算配分を促進するなど、各国の開発に好影響を与えます。UNDPはメディアやCSOの能力開発を支援し、ICTを活用した情報基盤の強化にも取り組んでいます。
活動項目
- 民主的ガバナンスのための政策支援
- 議会の能力開発
- 選挙のシステムおよびプロセス
- 法と人権
- 電子政府(e-ガバナンス)と情報へのアクセス
- 地方分権化、地域ガバナンスと都市/農村開発
- 行政改革と汚職防止 など
危機予防と復興
2000年以降、紛争や内戦により、40カ国以上で約3290万人以上が難民や国内避難民となりました。平和と安定は各国の開発に大きな影響を与えるため、UNDPは武力をともなう紛争に対する取り組みを支援しています。グアテマラでは、小型火器の危険性に関する啓発活動と国家武装解除計画の実施を支援し、対象都市の暴力の発生率低下に貢献しました。
危機下における性暴力やジェンダーに基づく暴力から女性を守るために「危機予防と復興における女性のエンパワーメントとジェンダー平等に関する8つのアジェンダ」を策定し、世界各地でプログラムを実施しています。
自然災害への対策として、UNDPは各国のパートナーとともに早期警戒・早期復興体制の強化に取り組んでいます。過去数年間、ハリケーン、豪雨や旱魃などが頻発しているキューバでは、災害管理・リスク削減センターと早期警戒システムを各地に設置したほか、建築資材の強化や持続可能な技術の普及を推進しています。
UNDPはイラク復興支援のために設立された国連開発グループ(UNDG)・イラク信託基金を管理しています。日本政府による同基金への資金拠出を受け、UNDPイラク事務所は同国の配電網の復興プロジェクトを実施し、約300万人のイラク国民に安定した電力供給を実現しています。
活動項目
- 紛争予防と平和構築
- 復興支援
- 小型火器削減と武装・動員解除
- 地雷対策
- 自然災害対策
- 移行期にある国々に対する特別なイニシアティブ
環境と持続可能な開発
自然環境の悪化、気候変動、生物多様性の喪失や天然資源の枯渇などは、対応に国際的な協力が求められる問題です。UNDPは各国政府が貧困層をこれらの脅威から保護し、持続可能な方法で環境を管理できるように、政策提言、パートナーシップの構築および成功事例の共有などを通じ、各国の能力強化を支援しています。
気候変動が人間開発、特に貧困層に与える影響は深刻です。UNDPは、各国が気候変動への適応策と緩和策を調整し、開発戦略を継続して推進できるように国家の能力を強化する支援を行っています。たとえば、ケニア北部では、雨量の減少によりバリンゴ湖の枯渇が懸念されていますが、UNDPは周辺地域の土壌と生態系を守るために、持続可能な新しい方法による耕作・牧畜を支援しています。
また、UNDPは温室効果ガスを削減し、エネルギー効率を高めるための戦略をパートナーたちとともに実践しています。京都議定書に基づいたクリーン開発メカニズム(CDM)に基づく取り組みを世界各地で推進し、長期にわたる持続可能な開発を実現するため、UNDPはMDGカーボン・ファシリティを設立し、マケドニア、ウズベキスタン、イエメンの3カ国でプロジェクトを開始しています。
活動項目
- 持続可能な開発に向けた枠組みと戦略の策定
- 効果的な水ガバナンス
- 持続可能なエネルギーの利用
- 砂漠化と土地劣化防止のための持続可能な土地管理
- 生物多様性の保護と持続可能な利用
- 排出削減に向けた国家別/セクター別の政策立案 など